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いのちの桜

断末魔と共に生きる

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私には
明日の出来事も
あさっての出来事も
20年前の出来事に 感じられて

20年前の出来事も
30年前の出来事も
つい昨日の出来事に 感じられて

母の余命告知
もって ひと月
もってひと月
もってひと月

かまってやれなくて
だんだんと
野良猫のようにになって行く
猫を
ぼんやりと眺めて

風呂に入っていたのか
毎日何を食べていたのかも
よく覚えていない 

母の断末魔の姿は
この胸に

ガラスの破片のように
幾重にも 突き刺さった
けれど 痛みは感じなかった

今でも
フラッシュバックのように
あの姿が 見えて来る
医者もナースも
無能に思えた

あれは
人の見るものじゃない

なのに 私は
クリアな意識のまま
発狂さえ できなくて

断末魔が
私の時計を ピタリと止めた

何年経っても 20年前
今 何が起きても 
20年前

ひたすら
あの断末魔と共に
生きている

クリアな意識のまま
ずっと
あの断末魔と共に
生きている

あの断末魔と共に


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