同じ風が吹いている

幼稚園にも、病院にも、
お家にも、道端にも、
オフィスにも、刑務所にも、被災地にも、

同じ風が吹いている。

春の風は、
幼稚園から、被災地まで
同じように吹いている。

刑務所にいても、
格子越しにしか見えない景色を眺めながら
自分の凍える寒さを忘れたくて

春の歌や
むかしむかしの歌を

口ずさみたくなるときがあるのかも知れない。

の風を感じて。

病院にいても、
窓辺から見える木々に
自分の微かないのちの灯りを映して

口ずさみたくなるときがあるのかも知れない。

の風を感じて。

疲れきった仕事のあと、タバコの煙をくゆらせながら
化粧を落とすことも忘れ
孤独な背中をいつもより一層丸めて、

口ずさみたくなるときがあるのかも知れない。

の風を感じて。

被災地にいても、
家族や友人の面影を見たくて
失った家の跡を辿りながら

口ずさみたくなるときがあるのかも知れない。

の風を感じて。


♪まげてのばして お星さまをつかもう
まげて背のびして お空にとどこう
小さくまるめて 風とおはなししよう
大きくひろげて お日さまをあびよう
みんなさよなら またあしたあおう
まげてのばして おなかがすいたらかえろう
歌をうたって
おうちへかえろう♪

作詞・作曲 Nancy.G.Claster
原曲「BAND&STRECH」
訳・麻生哲朗

そんな、ずっとずーっと昔の歌を
噛みしめるように、
記憶のかけらを拾い集めるように
遥か遠くの思い出を、繋ぎ合わせるように。

楽しい場所にも、
虚しい場所にも、
悲しい場所にも、

同じ風が吹いている。




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