路上の聖夜

路上の聖夜

キリストの誕生日は
みんなが祝う。

私が祝わなくても
誰もが祝ってくれるから、わざわざ祝う必要はない。

でも、遺体の引き取り手もなく、
誰にも悲しまれることなく死んで行った かっちゃんのことだけは

私が生きている限り
記憶に留めておこうと思う。

私がかっちゃんを忘れてしまったら、
誰が彼を思い出してくれるのか。
きっと、誰も思い出してはくれないだろうから。

せめて私だけでも
かっちゃんを忘れずにいよう。

かっちゃん、あなたはきっと
こんな寒い日も、
聖夜を聖夜ともわからず
路上の聖夜を、過ごしたんだろうね。

交通事故に遭って、真っ白なベッドのある病院に、入院出来て良かったね。

記憶は、「人生を紡ぐ臓器」だと、
昔、ある番組でやっていた。

かっちゃんと過ごした時間は、僅かだったけれど
確かな記憶として、私の人生を紡いでくれた。

忘れないよ。

他の誰にも
思い出されることはなくても。

死の床に臨む仕事

赤い花

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