あの子はいない

あの子はいない

春の 陽射しに

あの子の 真っ黒な瞳を

疲れた目で 探す

闇の中に

あの子の 艶やかな毛並みを

眠りながら 足で追う

一輪の花に

あの子の 可愛らしい姿を

両手で 見る





恋しさ 余って

また 涙雨

涙雨の冷たさは

あの子が この世にいないことを

私に伝える







あの子が 

もっと悪い子なら良かったのに

いや それでもダメだ

だってあの子は 

決して良い子ではなかったもの

私には あの子の怒る姿さえ愛しかった

「この子は悪い子だ」と言って 愛した






冷たさ

涙雨の 震えるほどの冷たさは

あの子が この世にいないことを

私に 伝える





痛み

体中に沁み渡るほどの 痛みは

あの子が この世にいないことを

私に 伝える






あの子は

あの子は

もう どこにもいない

ちち子寝姿んー!






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