名もなき人

春の風が 暖かく

柔らかだと 感じた

失ったちち子への悲しみが

戻って来た

やっといつもの人間

としての 私 に戻ったようだね




煙草がどんどん 灰になって行くように

どんどん無名化して行く私

どこの 誰かも

私自身が わからないのなら

誰にも わかる訳がない





いつの頃からか 額に

「無名」

と 烙印を押されて

生きて来た

まるで 牛の耳標のように




無名の私にも 

春風が吹く

無名の町にも

無名の草にも 

春風が吹く





名もなき人よ

名もなきものたちよ



せめて

春の風を 感じて

名もなき花を

眺めよう





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