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向こう へ行く年代

 2011-12-02
上岡龍太郎氏は今、どれだけの悲しみの中にいるのだろう。

彼は、以前
談志師匠との対談のときに
「もう米朝と談志が向こうに行ったら僕は向こうのほうが良いんですよ
あ、まだノックさんおるか」
みたいなことを言っていた。
談志師匠が亡くなったと聞いたとき真っ先にこの言葉を思い出した。

横山ノック氏が亡くなって
横山ノックを天国に送る会のときの
上岡龍太郎氏の弔辞。

あれは、沢山の人が「感動しました」
「素晴らしい話術です」等々と大反響になったみたいだね。

漫才師から参議院議員、
大阪府知事から最後は被告人にまでなったノックさん
ひとを笑わせるのに
自分は泣き虫でにぎやかなことが好きな寂しがり屋で
ありがた迷惑なほど世話焼きで
ああ見えて意外に人見知りで甘えん坊で頑固で
意地っ張りで負けず嫌いで天真爛漫で子供っぽくて可愛くて

そして、いつでも、どんなときでも、必ず、
僕の、味方をしてくれたノックさん
ノックさん、本当に、ありがとうございました
ノックさん、本当に、お疲れ様でした
そしてノックさん、本当に、さようなら・・・

敢えて不謹慎な言葉を並べて会場を笑いに包み、
ノック氏への良い面も悪い面も全て挙げ連ねている。

「芸人を送るのに、涙は似つかわしくありません」と言いながら、
自分は涙で声を震わせ、それでも 芸人であった者 として
「最後まで話し切る」と言う、あの上岡氏の覚悟のような、
そんな彼の姿を見る度
私は、感動 と言うか、話術 と言うか、それ以上に、
彼がどれだけノック氏を思っていたか、が伝わって来て
泣けて来る。

そして、同じく彼が敬愛していた談志師匠もいなくなって、
本当にもう、向こう のほうが良い 
と思ってるんじゃないかなあ・・と想像する。

「謹んでご冥福をお祈り申し上げます」なんて、表層的な言葉のない、
笑いと拍手と涙で送る葬儀は、
本当に亡くなった人への 思い が込められているね。

私は、現役時代の彼をあまり好きではなかった。
でも人間って、年を重ねてから、
魅力的になる人もいるんだね、男性でも、女性でも。
私も、そんな人間でありたいな・・・・。
話術なんか上手くなくても良いから。

ノックさんも、談志師匠も、
いろんなことを言われて叩かれたこともあったけど、
幸せ者だったね。あんな素敵な後輩に恵まれて。
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