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ほぼ廃人と化した女が吐く、ネガティブ詩や散文
1981年に放送されたドラマ「きりぎりす」。
未だに覚えていて、もう一度見たい!と思うのだが、
例によって私が好むものは一般的には好まれないせいか、
残念ながらDVD化はされていない。

命の尊厳とか、生きる意味だとか、
そんなもんを遥かに越えた、壮絶なドラマで、
殆どが病室の1シーンだけで構成されていた気がする。

緒形拳扮する医師が、心肺停止になった少女に必死で
心臓マッサージを施す。
そこに池上季実子扮する看護婦と、
奥田瑛二扮する研修医が立ち会う。
何度心臓マッサージしても、少女の心肺は戻らない。

そこで、緒形扮する医師は、今度は少女にカウンターショックを施す。
何度も、何度も。

このとき、カメラは、患者役の少女を上から撮り、
また横からも撮っている。
カウンターショックの度に
少女の身体が思い切り跳ね飛ぶ。

それでも少女の心肺は戻らない。

緒形扮する医師は、
次いで、その場で開胸心マッサージを行うことを決断する。
メスで患者の胸を開き、
直接心臓を手で掴んでマッサージすると言うものだ。

このときの緒形の表情・・・・。
少女の心臓を掴みながら、汗まみれになって少女の顔を見つめる。
余りに長時間に渡り少女の心臓と向き合って来たためか、
ただ患者を救いたい、と言う以上の関係性が
物言わぬ少女と医師との間に出来上がって来たかのような表情・・・。
まるで、心臓と、その心臓を持つ少女を愛しいと思っているかのように、
静かな笑みを見せる。


この様子をつぶさに見ていた奥田瑛ニ扮する研修医は、
余りの過酷な場面に、その場で尿を漏らしてしまう。
ズボンの裾から尿が流れ出し、それでも呆然としている研修医に
池上扮する看護婦が気づく。

狭い病室でただただ必死に
少女の命を戻そうとする緒形扮する医師、
戻らぬ少女、
そしてその様を見守るしかない
池上扮する看護婦、奥田扮する研修医
ほぼそのシーンだけで、ドラマは進行して行った。


結局、少女が戻ることはなかった。

余談になるが、こう言うドラマを思い出すと
今どきの若い役者の医療モノドラマなど、見るに堪えない。
白衣を着せられてる と言うだけで、まるで医者に見えず、実に薄っぺらい。

疲れきった緒形扮する医師が
床にうずくまるようにして、頭からシャワーの湯をかぶっていた姿が
今でも鮮明に脳裏に焼きついている。






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【2013/01/28 04:35】 | 映画、ドラマ、音楽 favorite
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