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ほぼ廃人と化した女が吐く、ネガティブ詩や散文
絹のシェルター育ちを折に触れ思うと
悲しく、愛しい。


野良猫の寒さひもじさを思うと
胸が痛むけど、シェルター育ちというのも、悲しい。


新しい習慣は子猫からでないと、なかなか身につかない。
そして子猫はすぐに引き取り手がつく。

成猫を引き取る人のほうが圧倒的に少ない。

無力な私にとっては、4才だったこの子を引き取ることが、
せめて自分にできることだと思った。

でも成猫から引き取ることの大変さは、
遥かに私の想像を超えていた。

爪切り、投薬、何もかも、経験のないまま育った絹は、
野生に戻って猛り狂った。
それでも薬を飲ませない訳には行かない。
いろいろと思考錯誤しながらの毎日だった。


それでも絹は、
少しずつ、本当に少しずつ「うちの子」になって行った。
生後2日目で保護された絹は、ほぼシェルター育ち。

まさに、かごの鳥。

見学に行ったときに出会った絹は、どこか憂いをおびていた。
人間にも猫にも心を閉ざしているかのように見受けられた。
そんな絹の心が、少しずつ開いて行った気がした。

ただ、いつも「もうすっかり慣れた」と思っても
時が経って思い返してみると、
まだまだあの頃は、慣れていなかったんだと気づく。

きっと今もまだ、完全に慣れていないのだろう。
成猫から引き取るというのは、それだけ慣れるまで
時間が必要なのだと実感した。


お外の楽しさを、覚えさせてやりたくて
最近、ハーネスとリードを買って、
お散歩の練習を始めた。

怖がってはいるけれど、少し歩いては止まり
歩いては止まり、と言う具合で意外と歩いてくれる。


でも、生後2日目から4年間、
一度も外に出たことがなく、外気に触れたこともなく
ほぼゲージの中だけの生活だった絹は、

今歩いた道を、引き返してることすら
全くわかっていなかった。
我が家のマンションの入り口に着いても、
それが自分の家だと、わかっていなかった。

それが、たまらなく悲しく、不憫だった。


猫の方向感覚は優れているはずなのに。

お外の楽しさも
おうちへ帰ることも絹はまだ、わかっていない。



絹、世界は
お前が思っているよりずっと
果てしなく広がっているものなんだよ。

風の匂い、雨粒の冷たさ、おそらの青さ、
お日さまの暖かさ、
みんな、お前のものだよ。



怖いものではないんだよ。


今日50メートル歩けたら明日は70メートル、
そうやって、少しずつで良い、

お前の前に広がる世界を、覚えて行こうね、絹。



ちぬ・生まれて初めてのおそと

このハーネスにリードをつけてお散歩してます。
これは注意していないとすぐに抜けてしまいます。
なので、とても緊張します。







ぽちで救われる私がいます


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FC2blog テーマ:エッセイ・散文 - ジャンル:小説・文学

【2019/07/05 00:03】 | 愛しきイヌネコ
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