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モ・クシュラ(再掲載)

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私のツボ な映画は、
「ダンサー・イン・ザ・ダーク」に次いで
「ミリオンダラーベイビー」。

一般的に救いがない と言われるモノが、やはり私には良いみたい。
いわゆる「感動」モノでは全然感動出来ないし、
普段あまり映画を観ないので、
私向きの映画を探すのにいつも苦労する。

「ショーシャンクの空に」なんて、夢中になって観てたけど、
ラストがハッピーエンド・と言うだけで
なーんだ・・とがっかりしてしまうくらいな私なんで。

ハマると何度でも観る私のことだから、DVDを買った。

ボクサーを目指す孤独な女性マギーと、
心に止血出来ない古傷を持つ、名トレーナーとの出会い。
モーガン・フリーマンのあの深く染み渡るやうなナレーションで
物語は進行して行く。

観客は殴り合いを楽しむ。事故現場を覗き込み、血を好む。
だがわかっていない。
ボクシングとは、相手の尊厳を奪い、それを自分のものにする。
尊厳のスポーツ。


相手の尊厳を奪うと言うことは、常に自分も、
自分の尊厳を奪われる危険にさらされていると言うこと。

それでも勝ちたいと思うのは、相手の尊厳を自分のものにしたとき、
自分の尊厳は今まで以上に賛美され、
栄光を勝ち取り、名誉を手にし、
英雄 として認められるからなのだろう。

自分の尊厳を奪われるリスクを侵してまで、
そこまで凄まじいトレーニングを、続けて来ているから。

悪い癖は、頭ではなく骨が忘れるまで叩き直す。
疲れ果て、やがてトレーナーの声しか聞こえなくなる。
全てを繰り返し繰り返し繰り返し、自分の一部にしてしまう。


好きなことなら、そこまでしてもやると言う気持ちが、
私のような軽い変態にはどこかわかる気がする。

マギーも何よりボクシングが好きだった。
他に何もない彼女には、
そんな過酷なトレーニングも苦ではなかったのだと思う。

そして彼女は、トレーナーであるフランキーに、
亡き自分の父親を重ねて、信頼しきっていた。

男女とも親子とも違う、
この頑固な二人の間に流れる何とも深い繋がりに、見入ってしまう。

彼女の選択が正しかったのか、間違っていたのか、ではなく、
彼女ならではの選択が好き。


あんな一生なら、短くても悔いなどない。
現実ではあり得ないお話・とは言え、マギーのように生きられたらな~
なんて思ったりした。
どこが 救いがない のか 私にはわからない。

心からフランキーを愛し、そのフランキーによって、彼女の尊厳は
最期まで奪われなかったのだから。
心から感謝するだろう、私がマギーだったとしても。

映画と違ってそうは問屋が卸してくれないのが現実だけれど、
犬死にも覚悟してはいるけれど、

出来ることなら、人生の幕引き時は、自分で決めたい。

マギーは、「モ・クシュラ」の名で、ボクサーを続けた。

その意味を、マギーの最期にフランキーはそっと伝える。
My darling, my blood
(愛する者よ お前は私の血)

良い。凄く。


ミリオンダラーベイビー








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Comments 1

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なごやん

ミリオンダラーベイビー

主役のヒラリー・スワンク自身が
マギー同様トレーラーハウス暮らしで
貧しさと野心が体現されていましたね。

「愛する者よ お前は私の血」
  言われたい?言いたい?

私は言いたい派!
絹の小っこい身体で何でダブルベット?

  • 2018/08/06 (Mon) 16:24
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