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ほぼ廃人と化した女が吐く、ネガティブ詩や散文
「madication time!medication time!」
(お薬の時間です!お薬の時間でーす!)

おお~映画「カッコーの巣の上で」と全くおんなじように
午後6時の夕食後、病棟内放送が聞こえる、
英語で(の、気がする)。
いいねえ~たまんねえ~私は 「患者様」と言う名の
「受刑者」だもの~

私はすっかり主人公気分で、
ガラス張りのナースステーション前に
すぐさま出来る行列に並ぶ。

他科とは全く違う、施錠され、管理されまくった精神科病棟では
患者様でも受刑者でも、同じようなものさ。

ナースの言いなりに手を出し、
何錠もの薬を渡されるままに口に入れ
水を飲んで言われるままにお口を開けて、ナースが確認。
「カッコーの巣の上で」で習った?通りに
私は飲んだフリ・で
さっさと病室に戻って吐き出し、決めた場所に仕込んでおく。

夕食後は、みんなとっとと着替えて
消灯までの時間を憩うんだ。

多忙なナースに相反して、患者はヒマを持て余している。

仲間たちと「ヒマだねえ、明日の献立見た?」
「見てきた見てきた!昼、ハンバーグだって!」
「えー!?ちょー嬉しいハンバーグ!」
なんて、シャバでは何でもないことが、
とっても楽しみになって、
食べ物のネタごときで何だかやけに盛り上がったり。

ナースの悪口、
シャバではなかなか聞けないはずの裏社会の話まで。
その場だけでは、どんな子とでも仲間のような錯覚に陥る。

みんな、病気のせいではなく、
入院すると、どこかおかしくなるものだ。

それぞれがそれぞれの悩みや病気を抱えているはずなのに、
皆やけに明るい。ハイになってる。それは退行とも違う。
ただ、子供のように、はしゃいでるんだ。

束の間、辛い現実から 解放 されるからなのかも知れない。
解放 される場所は、大草原でも大海原でも
ましてや我が家でもなく、
閉ざされた空間 なのに。
シャバが 解放される場ではなく、
施錠された病棟で 管理されながら、解放 される私ら。

喫煙室の窓から、東京タワーが見える。
シャバにいるときは、東京に住んでる私らは、
東京タワーなんて興味も持たないのに、

この閉ざされた空間の窓から見える、東京タワーの夜景は
なんだか潤むように輝いて見えて、
しばし、みんな静かになって
「きれいだねえ・・・東京タワーって、
あんなにキレイだったっけ・・・・?」

なんて、しみじみ見とれてたっけ。

皆、どんな思いで、あの夜景を見つめていたんだろう。

それぞれの悩みや苦しみを抱え、皆で揃って膝を抱えて、

茶色いヤニに染まった狭い喫煙所から、
上目遣いに見上げた夜の東京タワーは、
少なくとも、私の知ってるはずの東京タワーではなかった。

その光景はまるで、寂しいノラ猫たちが、身を寄せ合って
夜の街に灯る明かりを 見上げているようで。

(2009年7月10日)
imgCAM27GF6.jpg


フリー画像・夜の東京タワー

imgCAGLGQMS.jpg







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【2018/01/10 00:04】 | 「軽い変態」から見る社会
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