FC2ブログ
ほぼ廃人と化した女が吐く、ネガティブ詩や散文
入院中、患者たちとよく話をした。

相部屋で、年齢も同世代ということから
私は、カオリさん、ユウコさん、サチコさんとよく話した。

「食事は私らにとって大きなイベントよ!」とか
「昼のイベント、まだ?」とか
バカなことを言い合っては笑ってた。

でも皆それぞれに、それぞれの事情を抱えて病棟にいる。

珍しくしんみりと、カオリさんが自分の事情を話し出すと、
やはり思い出すのだろう
彼女は、唇を震わせて、必死で涙をこらえてた。

私とは全く事情は違うけど、
普段明るい、彼女の涙。

カオリさんの心の内にも悲しみがある。
私は彼女に、共感した。


私の退院日が決まって
サチコさんにしきりに
「ナレイさんがいなくなっちゃうの、寂しいよ・・」
と言われて
「そう思ってくれるだけで、嬉しいよ」
と私は言った。

でも、ここは病棟。
どんなに仲良くなっても、いずれは別れが待っている。


退院の日。

退院の手続きやら会計やらを済ませて

「じゃあ行くね。お世話になりました」
私はそう言って、一人一人と握手した。

精神科病棟は、ガラス張りになっている。
荷物を持って、そのガラスを出た私を
みんなが、見送ってくれた。

ふと見ると、
ガラス一枚隔てた向こうで
カオリさんが涙ぐみながら、笑顔で手を振っている。

日頃明るいカオリさんの泣き笑いは、私の胸を熱くした。

バイバイ、カオリさん、みんな。
早く良くなって、みんなも退院するんだよ。

仲良くしてくれた3週間
本当にありがとう。

そう思いながら、私たちは
ガラス一枚隔てて、さよならをした。

ガラス越しのさよならは
いつも悲しい。









ぽちで救われる私がいる 応援よろしくお願いします。

ブログランキング・にほんブログ村へ


ブログランキング・にほんブログ村へ

スポンサーサイト




FC2blog テーマ:エッセイ・散文 - ジャンル:小説・文学

【2014/09/16 23:05】 | 獄中手記、獄中詩
トラックバック(0) |
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿
URL:

Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック